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ニュートン編集長 水谷仁先生へインタビュー
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ニュートン編集長・パリ大学客員教授の水谷仁先生に高田先生がインタビュー!ニュートンを通した最新科学の一般への普及と理科教育への思いを聞かせて頂きました。 お知らせは、第36回彗星会議、高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)全国フォーラム、天文学会年会についてのご案内です。 |
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水谷仁先生へインタビュー 最新科学の一般への普及と理科教育への思い ロンドンカレッジ大学 高田淑子
ニュートン編集長、ならびにパリ大学客員教授であられる水谷仁先生に、昨年12月末のお忙しい中、最新科学の一般への普及と理科教育への思いについて、お話をおうかがいしました。 (以下、T:高田 M:水谷先生)
T:ニュートンは、最新のサイエンスをきれいなイラストとわかりやすい文章によって紹介し、読者の心をつかみ4半世紀、学校や公共施設の先生方もよく読まれており、一般への科学の普及に貢献している雑誌だと思います。読者層、理念など、簡単にニュートンについてご紹介頂けると幸いです。 M:ニュートンの読者層は、小学校の生徒さんから80歳のお年寄りまで広がっています。しかし本当にニュートンが読んで貰いたいと思っている読者層は、中学、高校、大学生です。 T:確かに科学=理科ではないですね。子供・生徒らは最新の科学に触れると目を輝かせます。特に、ニュートンのような雑誌は彼等の心をつかんでいると思います。最先端のサイエンスを広い分野からトピックス的に紹介する意味についてお考えをお聞かせ下さい。 M:子供たちに最先端の科学のニュースを伝えることはこれによって子供たちの心に「へぇー」という感動を伝えることです。最先端でなくても科学の進んできた道を伝えることでも「へぇー」は生まれます。「へぇー」が子供たちを科学に誘う一番のガイドだと思っています。そこから子供たち自らいろいろことを科学的に調べることができるようになれば良いですね。 T:子供たちは、実際に理科が好きかと言われれば中学高校に進むほどNoと答える割合が多くなり、学校・公共教育における理科教育と隔たりができているようです。いわゆる理科離れでしょうか。このようなことに関する何らかの提言などお考えはありますでしょうか。 M:子供は本質的に理科が好きだと思っています。理科が嫌いになるのは理科の試験があるからと、やはり先生の理科の教え方が悪いせいだと思います。わたしはどの子供も音楽と体育と理科と算数はみんな好きな学科のはずだと思います(私は小学校では音楽と体育と図工が特に好きでした)。これらのいずれかが大きくなると共に嫌いになるのは、これらの学科を競争の科目としてとらえられるようになるからだと思います。自分のペースでできれば、そしてそれを他のこどもと比較しないようになれば、みんな楽しい学科のはずだと思いますね。世の中にこんな不思議なことがたくさんあるのを学ぶのが嫌いになるはずがないと思うからです。 T:理科教員の問題など私どもも自省しなければいけない点もあり耳が痛い所です。 M:ニュートンは綺麗な画像を提供することを特色としていますが、雑誌を見ていただけると分かると思いますが、結構文字が多いのです。図を手助けに文字を読んでもらえるようにするのがニュートンの意図です。とくに各号の特集は文字だけ読んでいただいても、小さな本一冊程度の内容が含まれています。編集長としては出来るだけ図に語らせて、なるべく文字は少なくするのが良いと考えていますが、図だけですべての感動を伝えるのは難しいとも考えています。国語力が本当に衰えているかどうかよく分かりませんが、国語力がなければ理科もよく分からなくなるのも本当だと思います。 T:美しい映像や画像が先に子供たちの頭に焼き付くと、実際に学校で観察できるものとの間にギャップがあることがあります。たとえば、惑星探査画像の火星のイメージが既に頭にあると、望遠鏡で初めて火星を見ても感動がありません。子供たちの体験が希薄になる中、学習過程が科学の追究の過程と逆行してしまうこともあり、悩み所でもあります。このようなことについてどのようにお考えでしょうか。 M:頭に知識として入るものと、実感として感動するものとの差の問題でしょうか。本当は頭に知識として入っていればいるほど、実感として見るものの感動が大きくなるはずではないでしょうか。花をみても、花の名前や特徴を知っていればいるほど、感動は深くなると思います。火星の最新画像を知っている子供が、望遠鏡で火星を見てがっかりするかどうかは教え方しだいと思います。ぼんやりした火星の姿から、探査機が伝えてくれた画像を想像させると同時に探査機のすごさを教えれば、きっと子供はさらに他の惑星にも興味をもつようになるでしょう。何も知らない子供が望遠鏡で火星を見たときの感動よりも、よく知っている子供のほうが感動が大きくなるようにするのは大切だと思います。 T:これは、前出同様、教え方の問題で、相乗効果が期待できる対応が重要ということでしょうか。 M:パリ大学では、将来の火星探査に備えた実験の進め方、日本との協力などについて、議論しています。これから日本とヨーロッパは今まで以上に協力し合いながら惑星探査を行ったらよいと思っています。日本では火星探査の先に月探査を進めるべきだと思っていますが、日本の月探査にもヨーロッパの科学者が参加できるようにしたらよいと考えています。 T:それでは、最後になりますが、今後の惑星科学・天文教育に関しての助言等いただけると幸いです。 M:惑星科学、天文教育といって狭い分野にこだわる必要はないでしょう。わたしは惑星科学、天文学は未知の世界、遠い昔、遠い世界の不思議さを教えるとても良い教材が詰まった分野と思います。これらを知って子供たちの人生そのものが楽しく豊かになるような教育をしたいですね。 T:本日はお忙しい中貴重なご意見をいただきありがとうございました。 参考:Graphic Science Magazine Newton, ニュートンプレス http://www.newtonpress.co.jp/ |
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今回の彗星会議はこれまでとは一味違います。国内最大口径2メートルの「なゆた望遠鏡」を1晩中使って、彗星観望はもちろん、眼視による光度測定やCCDカメラによる撮像、さらには分光観測も体験していただけます。 「第36回彗星会議」
高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)全国フォーラム2006のお知らせ 高校生による天体観測のネットワークを全国に気づいている高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)の第5回目の全国フォーラムがが2006年3月26日(日)14時〜和歌山市深山の休暇村紀州加太( http://www.qkamura.or.jp/kada/)で開催されます。高校生による活動報告、交流会を中心に今後の活動に役立つ情報交換なども行えるよう企画されているようです。 天文学会年会春季大会が2006年3月27日(月)〜29日(水)に和歌山大学で開催されます。 みなさんの活動報告を通信に発表してみませんか!引き続き、たくさんの投稿をお待ちしております。 |
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