No.21  6 July , 2005
夜空メータープロジェクト発動!

宮教大惑星科学研究室の千島さん(M1)から、鶯沢工業高校の伊藤芳春先生考案の夜空メータープロジェクトについての報告をいただきました。7月23日には仙台市天文台で実習があります。星空観察ネット勉強会で盛り上げていきましょう。ご協力お願いいたします。

また、鶯沢工業高校の伊藤芳春先生からは、同高校で行った「小さな天体観測会」の報告をいただきました。 この観測会で、また少し、星空を見上げる人たちが増えたのではないでしょうか。
皆さんの活動についても、メーリングリストや通信を気楽に活用して、紹介してくださいね。投稿をお待ちしております。

Ms. Takataからのロンドン便り第3弾は、ロンドン大学天文台訪問レポートです。さすが、英国!歴史のある望遠鏡が今も活躍中でした。

夜空メーター製作記〜鶯沢工業高校編〜

宮城教育大学 惑星科学研究室  千島拓朗

星空観察ネットのみなさん、こんにちは。 宮城教育大学惑星科学研究室の千島です。 鶯沢工業高校の伊藤芳春教頭先生が考案された夜空メーターのプロジェクトがスタートしました。 今回は夜空メーターの紹介と5月11・12日に鶯沢工業高校で行われた製作に参加してきましたので活動の様子を報告させていただきます。

まず、夜空メーターについて簡単に説明します。 夜空メーターは夜空の明るさと夜空メーターの発光ダイオードの明るさを同等にし、そのときに発光ダイオードに流れる電流を電圧に変換して読み取ることで夜空の明るさを数値化し、場所や時間、方角による比較を行うことができる装置です。 図1の写真は2号試作機です。筒の先に発光ダイオードが取り付けてあり、本体のつまみを回すことでダイオードの明るさを変えて夜空の明るさと等しくします。筒を自由に動かしていろいろな方向の測定を行うことができます。

図1 夜空メーター2号試作機 図2 イメージ図

図2は発光ダイオードの明るさと夜空の明るさとの比較イメージです。実際には発光ダイオードを暗くすると夜空の明るさに埋もれて見えなくなります。発光ダイオードが見えるか見えないかの境界で表示される数値を読み取ります。

このプロジェクトの目標は、夜空メーターを製作する高校生、そして測定を行う高校生・中学生と多くの生徒たちが地域や学校の垣根を越えてそれぞれの役割を分担し、協力して結果を得ること、光害などの影響を環境問題としてとらえて調査を行うこと、そして星空への興味付けとして実際に夜空を見上げることを考えています。

今回は夜空メーターの製作として、鶯沢工業高校の蘇武先生と加藤先生、そして電気研究部の皆さんにご協力していただきました。

まず、各部品の製作を行いました。鶯沢工業高校の機械を使って基盤やアクリル板の加工を行いました。 機械科の生徒もいて機械の操作など、非常に慣れていました。

図3 アクリル板に穴を開けている 図4 基盤に部品を取り付ける

工業高校ならではの機械や工具を使って、作業を行いました。 図3はアクリル板に穴を開けている様子です。アクリル板は割れやすく、難しい作業でしたが丁寧に作業を進めてくれました。

いよいよ、基板に部品を取り付ける段階です(図4)。私も一緒になってハンダ付けや組み立てなどを行いましたが生徒のほうが手際もよく、慣れた様子で次々と組み立てていきました。さすが電気研究部の皆さんです。

図5 蘇武先生の提案により、基板はプリント基板の銅を削って回路を組んであります。これによって作業を効率よく進めることができました。

図6 完成した本体部です。夜空メーターの操作パネルもきれいに仕上がりました。

図7 本体部の裏面です。配線が少なくてすみ、非常にすっきりとしています。

今回の活動で夜空メーターの本体部約20個が完成しました。これからも部活動や授業の一部として製作を進めていただき、総数40個を完成させる予定です。 ご協力いただいた鶯沢工業高校のみなさん、ありがとうございました。

今後は発光ダイオードを取り付ける筒の製作、観測テストを夏休み前までに行う予定です。また、仙台市天文台のプラネタリウムをお借りして、操作方法についての説明会を7月23日に行います。下の「お知らせ」にご案内があります。どうぞご参加ください!

参考資料: 伊藤芳春、高田淑子(2004) 夜空メーターの製作と星空環境の測定,宮城教育大学環境研紀要第7巻,95-97.

登米栗原支部総合文化祭で発表

6月25・26日に栗原市若柳ドリームパルで開催された登米栗原支部総合文化祭で、鶯沢工業高校の電気研究部の皆さんが、夜空メーターの製作と星空環境についてのポスター展示と説明をしました。ポスターの他夜空メーター一式、基盤1枚を展示して発表したとの報告をいただきました。

小さな天体観測会

鶯沢工業高校 伊藤芳春

今年の春は土星・木星の観望好機だったので校内の希望者対象に小さな観測会を開きました。観察対象の土星・木星の写真を入れたポスターをつくり職員室に掲示しました。この写真は仙台の自宅の望遠鏡で撮影したものです。

日時:4月19、21日 午後7時〜8時
場所:鶯沢工業高 駐車場
対象:職員,生徒

部活動帰りの生徒や教員対象に実施。参加者は両日共に約10名。 駐車場で望遠鏡を組み立て部活帰りの生徒や先生に短時間見てもらったというのが実体です。今回は土星・木星観察を主目的にしました。はじめに西天に輝く土星、次に木星・月・北斗七星のミザールを見てもらいました。望遠鏡で見るのが初めての人が多く土星をみてみんな喜んでいました。意外にも月齢10ぐらいの月も人気がありました。覗けるのは一人だけなので、待っている時間に土星とふたご座のポルックスとカストルを見比べ、瞬きが少ないのはどれ?などど聞きながら観察させました。

日時:4月26日(火)夕方の自由時間
場所:独立行政法人花山少年自然の家
対象:鶯沢工業高1年生,引率教員

合宿の活動時間には組み込めなかったので、夕食後の自由時間に希望者のみ参加してもらいました。生徒と教師約10数名の参加でした。とても良い天気で寒くもなく、絶好の天体観察の夜でした。

観望会に使用した機材は次の通りです。

  • 望遠鏡:20cmシュミットカセグレン(そろそろ20年近い?)
  • 赤道儀:五藤マークX
  • 接眼鏡:14mm 143倍,24mm 83倍,10mm 200倍
  • 踏み台
  • 電源:自動車のシガーソケットから

接眼鏡の交換が面倒なので、ウルトラワイドという14mmの143倍を使用しています。143倍でも月が全部入るくらい広視野ですが、初めて見る人には覗くところが難しいらしく、「見えない見えない」と言われます。花山での観察では24mmの83倍を使いました。24mmではやや倍率が低すぎますが、見やすいのでよく使っています。10oでは200倍となり高倍率すぎて見づらいという声が多いです。

ロンドン便り 第3弾
ロンドン大学天文台(University of London Observatory)に行ってきました!

ロンドンカレッジ大学 高田淑子

ロンドン大学天文台は、UCL(ロンドン単科大学)が所有、運営しているロンドン北西部郊外のミルヒルという小高い丘の上にある天文台です。ロンドン中心部からもアクセスがよく、主に天文学科の学生教育のために利用されています。本格的な観測を行うにはロンドンの街の明るさや気まぐれでどんよりした天気が邪魔をしますが、学生教育にはもったいないほどの物的人的施設が整っています。まず目を引くのが、”明治維新”(!)と日本人の奥さんを持つ惑星科学研究者が言っていましたが、1862年に製作された 口径20 cm、F15の屈折望遠鏡です。天文台の技術者ロンによって蘇り、実際に今でも使われています。その両脇にはミードなどの口径30cm程度のカセグレンが2台あり、これらすべては、学生の観測・画像処の実習に使われています。各望遠鏡にドームがあり、ドーム部屋は1室となっていますが、望遠鏡ごとに防寒用の観測室があります。さらに、別棟に大型の口径60 cm屈折望遠鏡がありました.これも元をたどると100年以上前の望遠鏡です。ドーム直径は10m程度、床が上下し、はしご等を利用しないで眼視観測できるのが特徴です。昔は、4方のロープを使い床の上げ下げをしていたそうですが、今では、大きなねじに取って代わられています。これを用いて広い床が上下するのは圧巻です。

1学年は20人程度ですので、じっくり実習ができるようです。学生実習の時期は、10月から3月までなので、今は、閑散期ですが、ドワースキー台長の元、望遠鏡機器の技術者2名、情報機器関係の技術者2名、アカデミックスタッフ数名、学生数名、事務職員2名と人的サポートも手厚い感じがします。これは、ここに限らず、UCLの地球科学科にいても感じることです。各セクションに専門技術者がいるので研究・教育に研究者、学生は専念できる環境にあります。

なお、この天文台も時々一般公開もされているようです。

ロンドン大学天文台 http://www.ulo.ac.uk/

今回、日周運動の映像取得のために訪問しましたが、今後、ちょくちょく足を運ぶことになりそうです。この昔の望遠鏡をみながら、宮教も実績を積んできたので、宮教にある20 cmの屈折望遠鏡のリバイバル作戦を本腰入れて考えようと感じました。

天文台全景 約150年前の口径20cm屈折望遠鏡
口径60cm屈折望遠鏡

夜空メーターを用いた夜空の明るさ環境調査の実習会のご案内

街明かりの影響で、夜空に見られる星の数もずいぶん異なります。そこで、 夜空の明るさ環境を数値化できる「夜空メーター」を用いて、みなさんの居住 地域の夜空の明るさを測定し他の地域と比較する広域調査に参加しませんか。

下記の要領で、夜空の明るさ環境調査を実施する際に用いる「夜空メーター」 の操作・測定法に関する実習会を開催します。特に、今回は、仙台市天文台に ご協力いただき、プラネタリウムが創出する様々な空の明るさの中で、参加者 全員が夜空メーターを実際に操作し、空の明るさを測定するという実践に即し た実習となる予定です。みなさんお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。 実習会に参加される方、あるいは、今回の実習会には参加しないが資料をご希 望の方、あるいは広域夜空の明るさ環境調査に興味のある方は、点線より下の 情報を申込先メールアドレスまでご返送いただけると幸いです。

  • 日時:2005年7月23日(土)午前9:00〜10:00
  • 場所:仙台市天文台プラネタリウム http://www.astro.sendai-c.ed.jp/ 
  • 内容の問合せ:鶯沢工業高等学校   伊藤 芳春(
           宮教大惑星科学研究室 千島 拓朗(
  • 参加申込先: (星空観察ネット事務局 三澤宇希子)

なお、夜空の明るさ環境調査ならびに夜空メーター製作活動に関する詳細は、 下記のサイトをご参照ください。

中学生が実施した光害調査による環境評価活動とその教育的意義、長島康雄他、
  http://www.eec.miyakyo-u.ac.jp/meme/data/kiyou6/08.pdf
 夜空メーターの製作と星空環境の測定、伊藤芳春他、
  http://www.eec.miyakyo-u.ac.jp/meme/data/kiyou7/11.pdf

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  • 夜空メーターを用いた夜空の明るさ環境調査の実習会に
    1. 参加する。
    2. 参加しないが、資料の送付を希望する。
    3. その他。
  • 氏名
  • 連絡先(住所・電話等)
  • 電子メール
  • 勤務先
  • 夜空メーターを用いた夜空の明るさ環境調査に
    1. 個人で参加できる可能性あり。
    2. 団体で参加できる可能性あり。(団体名     )
    3. 興味がある。
     
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Check! -- 佐藤拓也先生のホームページ METEORITE 予告編 --

通信16号でも隕石・流星群についての原稿をいただきました、角田市北角田中学校の佐藤拓也先生のホームページの作成が公開に向けて着々と進められています!隕石とそこから広がる科学をテーマにしたホームページとのこと、とても楽しみですね。

今現在、予告編としてトップページやコンテンツの一部を見ることができます。わかりやすく親しみやすい雰囲気のページに仕上がっています。気になる隕石の写真も…! 完成が待ち遠しいです。

佐藤先生のホームページ METEORITE http://www.geocities.jp/meteorite115/

連絡先:宮教大インターネット天文台事務局 三澤宇希子( メールフォームへ
今までの活用事例を、星空観察ネットの広場で紹介しています。是非ご覧ください。