|
地球惑星科学関連学会2005年合同大会報告・ロンドン便りその2「火星へ」 |
|
地球惑星科学関連学会に行って参りましたので、その様子をお知らせします。 |
|||
|
地球惑星科学関連学会合同大会に行ってきました 星空観察ネット事務局 三澤 宇希子
通信でもお知らせしていましたが、地球惑星科学関係では日本で一番大きな学会で、2005年5月22日(日)から5月26日(木)まで、幕張メッセで行われました。日曜日と月曜日の2日間にわたって行われた地学教育関係のセッションを聞いてきましたので報告します。 「地学教育」ということで、学校関係者が多いことを想定し、日曜日と月曜日の日程だったようですが、やはり現場の先生方の参加は難しいようでした。日曜日は特別公開セッションということもあり小中高の先生方も多かったようですが、月曜日には人数も減り、最後の総括の時には小中高の先生方は6名、そのうち出張扱いで参加されている先生は2名で、現場の先生方にとって、このような学会に出席するのは簡単なことではないのだなと痛感しました。一方で、学会の内容は是非現場の先生に聞いて頂いて、議論して頂きたいことばかりでしたので、もっと現場の先生方が参加しやすい会議になるよう、今後に期待したいところです。 セッションでは改訂間近の学習指導要領に地球科学関連学会としての地学教育の意義を反映させるべく、地学離れを救うためにどのように学習指導要領に働きかけていくか、積極的な意見交換がなされていました。一昨年「地学教育の昨日・今日・明日地球惑星科学は理科・地学離れを救えるか?」というセッションが開かれたのは高等学校における地学履修者の減少傾向を深刻に受け止めてのことだったようですが、今回の発表では、高等学校以前に、重要になってくるのは小・中学校における地学教育、教養としての地学教育であるというのが主だったように思いました。ほとんどが地学を履修しない高校での教育を考えるより小中学校までが勝負!ということでしょうか。一方で、将来的に小中学校で地学教育に携わるであろうと考えられる教育学部に進む学生のほとんどが地学をとっておらず、小学校の先生においては理科さえもとっていないという現状も聞きました。それでは小・中学校で効果的な地学教育を行うのは難しくなってしまいます。そこで、小学校の先生になるような文系の学生に地学教育の生き残りをかけてはどうかという意見も出ました。しかし、現場の小学校の先生からは教えづらい所というものに地学領域は出てこないということです。それだけ現在の学習指導要領において地学領域が少ないのでしょうね。高校での地学履修者を増やすための対策については、センター試験で地学と物理を同じ時間にしないようにするよう要望を出すということも聞きました。 学習指導要領の改訂に対する意見は小中学校のものに照準が合っていたようですが、SPP事業等、大学などの最前線の科学機関と学校との共同の取り組みについてもいくつか報告があり、高校生・大学生に対する教育での成果をあげているようでした。「高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)によるスプライト(雲-電離層の放電現象)観測キャンペーン」では、高校生がマニュアルに基づいて機材をセッティングし、見事にスプライト検出に成功したことが報告されました。自動観測によるものなので、ライブ感は損なわれないかなどの疑問も出ましたが、実際はセッティングも一筋縄ではいかないので、成功したときの達成感、ワクワク感や発見の喜びを味わってもらった手応えはしっかりあったようです。またJAXA宇宙科学研究本部による「高校生向け体験プログラム‘君が作る宇宙ミッション’における自主性教育の実践」では、高校生が、自分たちの発想した宇宙ミッションの実現に向けて、科学技術の現状を考え合わせて考察する体験学習の成果が報告され、高校生のみならずサポートにあたった大学院生のT.A.にも教育的な意義があり、かなり成功しているようでした。 星空観察ネットの広場に近いものとして、岐阜大学の川上紳一先生の「ITを活用した自然観察実践を通じた理科教材データベースの構築」には正直焦ってしまいました。掲示板が設けられており、メーリングリストに小・中学校のアドレスを入れて現場の先生とインタラクティブにサイトが運営できているようだったからです。私たちのサイトも頑張らなくては!と思いました。同じく川上先生の「天体望遠鏡(スピカ)や人工衛星観察を取り入れた小学4年「月と星」の授業実践とその評価」では、スピカによる観測・天体観察会・ウェブサイトでのサポートなどの教材を小学4年生で「月と星」の授業時に取り入れた学校と取り入れていない他の学校とで、小4から6年まで継続してアンケートを実施し、比較することで教材の評価をしていましたが、教材に確実に効果があることが示されていました。ただ、せっかくここで効果があっても、他のポスター発表(「小学校から高等学校までを通した天文教育スタンダードの作成」(有本淳一氏))でも指摘があったように、小学5年生から中学2年生まで全く天文領域について習う機会が無いという“空白の4年間”ですっかり忘れてしまうという経過も話されていました。前回の19号の通信で市川先生がご報告くださった調査結果の考察でも小学校での中途半端な理解が後の混乱を招いてしまっていると指摘されていました。少しずつでも継続して天文領域にふれる機会が必要なのだなと思いました。 以上、発表のすべては伝えきれず、内容のつかみにくい報告になってしまいましたが、具体的には以下のサイトで発表要旨がPDFで公表されていますので、ぜひご覧ください。 新しい地学の試み2ー学習指導要領を考える http://earth2005.jtbcom.co.jp/session/a082.htm 地学教育 http://earth2005.jtbcom.co.jp/session/j035.htm また、天文領域ではありませんが、地学教育関連に役立ちそうな発表が「キッチン地球科学」というセッションでもありました。オーラル発表は大盛況で、残念ながら私は部屋にはいることさえできず、ポスターの方を見ただけになってしまったのですが。。。 キッチンからみた地球・惑星 http://earth2005.jtbcom.co.jp/session/a111.htm なお、地学教育の進むべき方向について、地学教育委員会では皆さんの多くの意見を集めたいと考えています。委員会については以下のページをご参照ください。これまでの討論の総括についても公開しています。メールでの意見もぜひお寄せください。 地学教育委員会 http://www.epsu.jp/jmoo/renrakukai/education_index.html
ロンドンカレッジ大学 高田淑子
火星へ(destination to Mars)滞在先のロンドンカレッジ大学地球科学科で行われている高校生向けの教育プログラムを紹介します。 高校生自らが惑星科学者となり惑星探査がもたらすデータを解析して惑星の歴史と表層環境を紐解くというシナリオです。 これは、惑星科学の一日サマープログラムの一環で、「宇宙に生命を求めて」、「隕石」、「マースエクスプレスとビーグルIIの火星探査」 といった今ホットな話題の講義とともにともに、3時間程度のプロジェクトとして組み込まれています。 昨年は22人の参加者があり、今年は2年目,7月5日に行われます。実際には、ポスドクや大学院生が仕切っています。 まず、未来の惑星科学者に3つの円形地形の着陸地点を紹介します。それぞれ、火山(Reuyl)、干潟(Apollinaris)、衝突クレーター(Gusev) ですが、最初は何の地形であるかは伝えません(図1)。 各着陸地点の担当を決め、さらに、大気(物理、化学)、地形(画像解析)、岩石(地球化学、鉱物)の3つの研究担当者を決めます。 各人が担当した各地域の各研究を深め、最後にそれぞれの結果を持ち寄り各地域の形成過程をまとめます。各研究は以下の通りです。 (1)大気グループ
| |||
|
小さなEarth Scientistのつどい〜第3回小、中、高校生徒「地学研究」発表会 日本地質学会地学教育委員会では小・中・高校の地学(理科)クラブ、地学の授業における研究成果、活動成果を発表する「地学研究」発表会に 参加する学校を募集しています。日時は2005年9月18日(日)、京都大学の日本地質学会年会ポスター会場で実施されます。 日頃の成果を発表してみてはいかがでしょうか。参加の意思のある学校は、7月29日(金)までにFax またはE-mailでお申し込みください。 申込先などの詳しい情報は以下のサイトをご覧ください。 小さなEarth Scientistのつどい http://www.geosociety.jp/2005kyoto-HP/school.html 第4回君が作る宇宙ミッション JAXA宇宙科学研究本部では、今年も「君が作る宇宙ミッション」の体験学習プログラムに参加する高校生、あるいは相当年齢の方を募集しています。 2005年8月1日(月)〜5日(金)の日程で、神奈川県相模原市にある宇宙科学研究本部で実施されます。 交通費、宿泊費、保険料などを含んだ参加費は無料です。締切がせまっており、6月20日(月)必着で必要書類を送らなければならないのですが、 興味のありそうな高校生にお知らせしてみては。 君が作る宇宙ミッション募集要項等 http://www.isas.jaxa.jp/kimission/index1.htm |
|